納得して退去精算を終えたい!
女性からのご依頼でした。
提示された精算内容に納得できないため、一旦家族と相談するとのことで、鍵を返却して帰宅後すぐにご相談をいただきました。
依頼人は退去に際して、多額の費用請求がされないか心配で、ネットでいろいろ情報収集をしていました。
いざ、提示された精算書を見ると6年以上入居しているにもかかわらず、クロスの貼替費用が高いと感じたようです。
たしかに、精算内容をガイドラインに基づいて検討してみると、クロスの貼替費用は高かったです。
そこで、依頼人は退去手続きを担当してくれた管理会社の担当者に電話して、その旨を告げて精算内容に異議を述べたところ、担当者から以下のように言われました。
「専門家等を入れるなどして精算内容に異議を述べるならこちらの判断で精算項目に計上しなかった費用項目があるので、再度の退去手続きを行う。したがって、再立会いを行うので日程調整をして欲しい。」
これに対して、依頼人には以下のアドバイスをしました。
第1に、退去時に担当者が追加の費用項目を計上しなかったのは、請求する必要がないとの合理的な判断があったはずである。
第2に、異議を述べたことで追加で費用計上されるとなれば、契約当事者が立会いの上、原状回復箇所を確認し精算書を作成した意味がなくなってしまう。
これらの点を理由に再立会いに応じる必要はないと依頼人に伝えました。
この案件は、その後、担当者からの執拗な再立会いを求める電話攻勢(恫喝に近い内容もあったようです)に依頼人が恐怖を覚え助けを求める連絡もあったりしました。
依頼人は、それにもめげずにがんばって交渉した結果、ガイドラインに沿った内容で精算を終えることができました。
最後に、依頼人から「納得して退去精算を終えたいという一心でがんばってきました。先生の支えはとても心強かったです。」という感謝の言葉を掛けていただきました。
この業務をやっていて大変うれしい言葉をいただきました。
「納得して退去精算を終えたい」この気持ちは、本当に大切です。
これを実現するために、少しでも依頼人の力になれるようこれからも精進していきたいです。
行政書士・敷金診断士 相武