ひとりで退去立会いを行ってみたものの…
心配なので退去立会い時に専門家に同席してもらいたいと考えていても、専門家に支払う報酬のことを考えると躊躇してしまう方は、いらっしゃると思います。 また、ネットで検索するといろいろな情報が入手できるので、それらをもとに自分ひとりで退去立会いに挑んでみようと考えるもいらっしゃいます。
でも、いざひとりで退去立会いを行い、相手方と協議をしてみたものの思うような結果が得られないことがあると思います。
そんな場合に、専門家に相談して納得して退去精算を終えたいと考えたときは、次のようにしていただければと思います。
(1)請求されている原状回復箇所の確認
自分でわかっている汚損破損箇所以外に請求されている箇所があるかもしれないので、相手が求める原状回復箇所を退去立会いをしてもらった方と確認してください。
その際に、写真を撮ってください。 例えば、汚損破損箇所が壁(クロス)の場合なら、①汚損破損箇所を含む壁全体を撮ったもの。②中くらいの位置から汚損破損箇所を撮ったもの。③汚損破損箇所をクローズアップして撮ったもの、というように3カットくらい撮るようにしましょう。
(2)署名押印について
原則的に退去精算書(見積書)に合意するという意味での署名押印はしないでください。
ただし、退去立会いを実施したということを確認するという意味で署名をして欲しいと言われることがありますが、このような署名はしていただいても大丈夫です。 この場合、必ず精算内容に合意するという意味の署名でないことを確認して署名してください。
それでも心配なら「退去立会いを実施しました。原状回復費用の負担についての私の考えは後日連絡します。」というような一文を書き加えた上で、署名してください。
(3)相談
精算内容に納得できないので、専門家、家族、友人等と相談したいと申し述べて、退去精算書(見積書)を相手からもらってください。 そして、専門家に相談する場合には、①退去精算書(見積書)、②賃貸借契約書及び重要事項説明書等関係書類、③退去時に撮影した写真を持参の上、相談ください。
喫煙のこと、ペットの飼育(無断でペット飼育していた場合も含む。)のことなど不利になることを隠したりする相談者がたまにいらっしゃいます。 すべての事情をお話していただいた方が、具体的なアドバイスができます。すべての事情をお話しください。
相談の前に事情等を箇条書きでも良いのでメモにまとめておくと良いと思います。
行政書士・敷金診断士 相武